家庭菜園等のモロヘイヤに、ご注意!!

 食品衛生調査研究事業等報告にて、近年健康食品として注目されているモロヘイヤの安全性に関する研究が公表されましたので、参考までに紹介いたします。

モロヘイヤの安全性に関する研究

主任研究者  豊田 正武 国立衛生試験所 食品部長

 モロヘイヤ及びモロヘイヤ加工食品の安全性を確保する目的でモロヘイヤ各部位及び数種加工食品中の強心配糖体含有量を調査した。その結果、食用モロヘイヤ、モロヘイヤを用いた健康食品、熟していないモロヘイヤ、完熟種子の付いていた葉からは、全く強心配糖体(strophantidin(SP)配糖体)が検出されず、通常の食生活に使われるモロヘイヤには、危険性は全くないと考えられた。他方、完熟種子及び完熟種子のついていた鞘及び茎に高濃度のSP配糖体が存在していることが判った。 

  1. 研究目的:
    昨年10月長崎県の農家で、牛が実の付いたモロヘイヤの茎を食べ死亡する事件が起こり、死亡牛の心臓部からストロファチジン(SP)を検出したと報告された(長崎新聞、平成8年11月27日)。種子にSPをアグリコンとする強心配糖が含まれていることは以前から知られていたが、葉などの種子以外での部位での存在については明らかではない。本研究ではモロヘイヤ及びモロヘイヤ加工品の安全性を確保する目的で、モロヘイヤの各部位及びモロヘイヤ加工品の安全性を確保する目的で、モロヘイヤの各部位及び数種加工品中の強心配糖体含有量を調査したので報告する。

  2. 研究方法:
    以下の試料を用いた。
    1. 埼玉県の家庭菜園及び、島根県浜田市で栽培していたよく熟したモロヘイヤの種子及び、完熟種子のついていた鞘、茎、葉
    2. 都内スーパーで購入した食用モロヘイヤ(青葉に、芽、青い茎を含む)
    3. 健康食品として加工したモロヘイヤ葉乾燥粉末2点
    4. 島根県浜田市から供与されたモロヘイヤ試料(葉、茎、未熟実を含む植物体を裁断し乾燥後炒ったもの)
    これらを、メタノールで抽出し、加水分解し、アセトンで抽出し、NMR及びLC-MS分析、HPLCを行った。

  3. 考察及び結論:
    食用モロヘイヤ、モロヘイヤ健康食品、熟していないモロヘイヤと試料1の葉からは全くSPが検出されず、通常の食生活に使われるモロヘイヤでは危険性は全くないものと考えられる。他方、完熟したモロヘイヤ種子、茎中では、高濃度のSP配糖体が存在しており、その量はかなり危険な量と推測される。よって、種苗店や、家庭菜園等で種の保管に対し、なんらかの警鐘が必要かもしれない。