妊娠中及び授乳中の全身作用性ステロイド剤は
ヒトにおける奇形の増加の根拠はない!!

原文英国医薬品安全性委員会のホームページより)


 妊娠中及び授乳中のステロイド剤使用の安全性に関して得られたデータについて、今回評価を行った。下記の結論が得られ、製品情報に追加されている。

 ステロイド剤の胎盤通過性は個々の薬物により違いがある。例えば、ベタメタゾンとデキサメタゾンは胎盤を通過しやすいが、一方、プレドニゾロンは胎盤通過時に不活性化される。

  • 妊娠中の動物へのステロイド剤投与により、口蓋裂/口唇裂を含む胎児発達異常及び脳の成長と発達への影響を起こしうる。しかし、ヒトにおいては、全身作用性ステロイド剤が、口蓋裂や口唇裂のような先天異常の発生を増加させることに確たる根拠はない。
  • 妊娠中に全身作用性ステロイド剤の長期投与や反復投与を行うと、子宮内発育遅延(IUGR)のリスクが有意に増加する。新生児呼吸窮迫症候群の予防のような短期間の治療後にIUGR発生が増大するとの根拠はない。
  • 出生前にステロイド剤の暴露を受けた新生児において、副腎抑制の理論上のリスクがある。しかし、これはたいてい出生後自然に回復し、臨床的に重要となることはまれである。
  • プレドニゾロンは母乳中に少量が排泄される。しかし、プレドニゾロンは1日40mgまでの用量あるいはその相当量では、幼児に全身作用を及ぼすとは考えられない。母親がこれより多量に服用する場合、幼児に副腎抑制の症状が現れるかどうか観察する必要がある。他の全身作用性ステロイド剤については、母乳中への移行に関するデータがない。
  • その医薬品と同様に、妊娠中に全身作用性ステロイド剤を処方する前には、治療上の有用性と、母体と子供への危険性を比較する必要がある。妊娠中あるいは授乳中に処方する場合は事前に関連のある製品情報を調べて欲しい。

(訳:日本薬剤師会中央薬事情報センター)