こども家庭庁「こどもの悩みを受け止める場」に関する意見交換会に出席

意見交換会風景1
※写真左より、三原じゅん子こども政策担当大臣、岩月進日本薬剤師会会長、渡邊大記日本薬剤師会副会長、富永孝治日本薬剤師会常務理事

意見交換会風景2
※写真左より、三原じゅん子こども政策担当大臣、岩月進日本薬剤師会会長、渡邊大記日本薬剤師会副会長、富永孝治日本薬剤師会常務理事

内閣府庁舎・中央合同庁舎第8号館(大臣室)にて
※写真左より、渡邊大記日本薬剤師会副会長、三原じゅん子こども政策担当大臣、岩月進日本薬剤師会会長、富永孝治日本薬剤師会常務理事
令和7年6月27日、こども家庭庁は、こどもが安心して悩みを打ち明けられる環境づくりの課題や、大人に求められる対応を明らかにすることを目的に、「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」(令和6年11月発足)の取組の一環として、三原じゅん子こども政策担当大臣と、本会との意見交換会を内閣府庁舎・中央合同庁舎第8号館(大臣室)にて開催しました。本会からは、岩月進会長、渡邊大記副会長、富永孝治常務理事が出席しました。
意見交換会では、近年深刻化する医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)といった、こどもを取り巻く喫緊の課題に対し、薬剤師が地域の中で果たす役割の重要性が改めて確認されました。
冒頭、三原こども政策担当大臣は、こどもが直面する多様な問題について「社会全体で取り組むべき重要な課題」であるとし、本会への協力を要請しました。これに対し、岩月会長は、薬剤師がこれまでもOTC医薬品の販売を通じて過剰摂取対策に取り組んできたことに触れ、薬局店頭での啓発ポスターの掲示や、警視庁等との連携による薬物乱用防止活動の実績を紹介。「薬局も地域でこどもを守るための『場』として、様々な職種と連携していきたい」と述べ、地域に根差した薬局の役割を強調しました。
続いて、渡邊副会長は、近年「薬を飲むことに抵抗がない」こどもたちが増え、神経系用剤やOTC医薬品を「簡単に飲む」ケースもあると説明。孤立した環境にあるこどもへの支援の必要性とともに、地域の行政や学校との連携を通じて、薬局に「こどもの悩みに対応できる薬剤師がいること」の重要性を訴えました。
さらに、富永常務理事は、全国に約20,000名が所属する学校薬剤師の活動に言及。こどもの快適な学習環境の維持に加え、「くすり教育」や「薬物乱用防止教育」を通じて健やかな生活を支援していると説明しました。その一方で、OTC医薬品が自傷行為に用いられる現状に遺憾の意を示し、一人薬剤師の薬局や処方箋に調剤に追われている薬局だけでは対応が難しい現状を踏まえ、「こどもが相談しやすい環境を整備するための体制づくりが必要」と提言しました。
今回の協議を通じて、こども家庭庁と日本薬剤師会は、こどもが安心して悩みを打ち明けられる環境づくりに向け、今後も継続的に協力していくことを確認しました。